北九州エリアの歴史
北九州市。九州北部の有数な工業地帯だ。
治安が話題になることもあるけれど、歴史的に見ると、とても魅力のある町だ。



メーテルや鉄郎、キャプテンハーロックなどの銅像があることは知っていたが、今回、企画展と常設展をまわりながら、北九州という土地そのものをずいぶん学ぶことになった。
⚓️ 1. 玄関口としての始まり(古代〜江戸時代)
北九州は古くから九州の玄関口。特に門司や小倉は、本州と九州を結ぶ交通の要所として栄えた。
小倉城は細川忠興公や小笠原氏が築き、城下町として賑わい、今の「商売の街・小倉」の基礎ができた。
また、長崎街道の起点(終点)として、多くの旅人が行き交った宿場町でもあった。
⚙️ 2. 日本の近代化を支えた「鉄の街」(明治〜昭和初期)
1901年(明治34年)、官営八幡製鐵所が操業を開始。ここから日本の近代化が大きく動き出す。
鉄鋼、化学、窯業などが次々と発展し、「東洋一の工業地帯」と呼ばれるまでになった。
門司港は国際貿易港として大繁栄し、今も残るモダンな洋館群がその名残を伝えている。
しかし戦争によって町は壊滅的な被害を受ける。
それでも北九州の人々は、鉄を作ってきたその力で、町をもう一度復興させていった。
🌈 3. 公害の克服と「環境首都」へ(昭和後期〜現代)
高度経済成長の影で、かつての北九州は深刻な公害に悩まされた。
「七色の煙」や「死の海」と呼ばれた洞海湾。
けれど、「子どもたちのために青い空を取り戻したい」と立ち上がったお母さんたちの運動をきっかけに、市民・企業・行政が協力し、公害を克服。
今ではその経験を世界に伝える「環境首都」として知られている。
✨ 4. そして「5市合併」で北九州市へ
1963年、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の5市が合併し、九州初の政令指定都市「北九州市」が誕生。
それぞれの個性が混ざり合い、今の多様な街の姿ができあがった。
松本零士とその作品
復興、公害、国際性。
いくつもの大きな波をくぐり抜けてきたこの町で、松本零士は育ち、絵を描き続けた。
この地に松本零士の銅像があることは前から知っていたけれど、ちょうど特別展が開催されていて、来年『銀河鉄道999』は50周年を迎えるという。
この展覧会は、東京・北九州・名古屋と巡回している全国規模の大型原画展。
初期作品から未公開資料まで約300点以上展示されていて、松本零士の創作全体を体感できる構成になっている。
原画の前に立ったとき、単なる線以上の「時間の重み」を感じた。
色の使い方、線の強弱、宇宙を描くタッチ――それが松本零士という人の「問い」そのものに見えた。
松本零士の幼少期には、父や祖父から聞いた戦争の話があった。作品の中に戦争を扱ったものもあった。
本人が直接戦争を体験した世代ではないからこそ、その記憶は物語として受け継がれ、作品の中にリアルさを持って現れているように感じる。
そして戦後、日本が復興していくエネルギーの中心にあったのが、八幡製鉄所だった。
鉄の町で育った少年が描いた物語に、鉄が象徴的に登場するのは偶然ではないのかもしれない。
メーテルと鉄郎。
飛行機や戦艦の計器類まで緻密に描かれる絵。
戦争を「聞いて知っている」世代だからこそ持てる、想像力と現実味。
北九州は、飛行機が一般化する前から海外との距離が近く、日本にいながら異文化に触れられる場所でもあった。
この土地の空気が、あの宇宙観や世界観を育てたようにも感じる。
メーテル、1000年女王、クイーンエメラルダス。
女性は驚くほど美しく、
主人公は、いわゆる「かっこいい」タイプではなく、鉄郎のような少年。ハーロックに出てきたトチローも。
松本零士は、そこに自分自身を映していたという。
1980年代に描かれた物語と、今の時代は違う。
それでも、戦争への思いや世界の行方に対するまなざしは、むしろ今読むほうがリアルに感じられる。
彼が作品に込めた思いは何か。
今年から来年にかけて、日本各地でこの展示を見ることができるらしい。
当時の子どもだった人も、そうでない人も、ぜひ足を運んでみてほしいと思った。
あの世界は、遠い宇宙の話ではなく、
この土地の歴史と、私たちの今につながっている。
展覧会の魅力(noteで紹介しやすいポイント)
展覧会の内容は次のような特徴があるよ!

🎨 原画・貴重資料が約300点以上展示
初期作品〜未公開資料まで幅広い展示で、作者の創作の軌跡を体感できる。
✍️ 漫画とアニメ両方の表現を体験できる構成
『銀河鉄道999』『宇宙海賊キャプテンハーロック』など名作の原画・資料が並び、表現の幅や技法を感じられる。
🛤️ 巡回して地方でも見られるチャンスがある
東京・北九州・名古屋という大きな都市の会場をまわる形式なので、単なる一地域のイベントではない
東京・北九州は終わったけれど、名古屋でも見られる機会がある。
まだ間に合うから、あなたの目で確かめてほしい。
📍 名古屋(名古屋市美術館)
→ 2026年3月20日〜6月7日開催予定。

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